依頼者は、工事現場に勤務していたところ、作業中に作業車から転落してけがを負いました。
依頼者は、長期間入院することになり、退院後も歩行に後遺障害が残ったため、勤務先を退職せざるを得ませんでした。
本来、作業中には安全帯を着用するように推奨されていますが、依頼者によれば、その工事現場には、安全帯が常備されておらず、安全帯を着用しないまま作業をすることが常態化していたそうです。
当事務所が依頼を受け、弁護士から会社に対し、会社が従業員の安全配慮を怠っていたと主張し、損害賠償を請求しました。
それに対し、会社側は、事故当時、工事現場に安全帯を常備していた、安全帯を着用していなかったことに加え、ヘルメットの着用方法が適切でなかったなど、依頼者側にも過失があると反論して、損害賠償の支払いを拒否しました。
そこで、裁判所に対して損害賠償請求訴訟を提起することにしました。
訴訟の中では、依頼者側の言い分が正しいことや、その裏付けなどを主張しました。
事故の内容としては、依頼者側に過失が認められ、請求が認められないという結果も考えられましたが、結果として、十分な金額の解決金の支払いを受ける内容で和解することができました。
交渉段階では、相手方の会社は、一切支払いを拒否するという対応でしたが、訴訟を提起して、相手方の会社から解決金の支払いに応じさせることができました。
交渉段階で支払いを拒否されたとしても、粘り強く交渉し、訴訟で丁寧な主張をするなどしたため、依頼者の方に納得のいく結果が出せたのだと思います。 (担当弁護士 江幡賢)
掲載日:2023年7月31日