依頼者は、飲食店の店舗建物を所有する不動産オーナーで、借主との間で店舗の賃貸借契約を締結していました。

　店舗を貸す時に、依頼者は、借主に対して、本件建物の一部で雨漏りが生じている事や、その修理には具体的にどれくらいの費用がかかるかの見積書を見せており、修理費用を借主が負担する代わりに家賃を減額することに合意していました。

　しかし、借主は、雨漏りを修理せずに飲食店の営業を開始し、実際に雨漏りが発生した際に、依頼者に対して雨漏りの修理を求めてきました。そこで、依頼者は弁護士に依頼することにしました。

 

依頼を受けた弁護士は、借主に対して、賃貸借契約に至る経緯や、契約締結時に借主に対して示した資料、家賃を減額した事情等について、丁寧に説明し、依頼者が雨漏りの修理費用を負担する法的義務がないことを主張する文書を送付しました。

その結果、借主は、雨漏りの修理費の負担を請求することは諦め、その後も賃貸借契約を継続することになりました。

 

　賃貸借契約は、継続的な契約であることから、当事者間で紛争になった場合には、紛争が長期化することが多いです。

　しかし、当事者同士の話し合いでは解決に至らない事案でも、弁護士が理路整然とした文書を作成し、それを相手方に送付することによって、相手方が納得してくれることはよくあります。

　不動産オーナ様など、賃貸借契約でトラブルを抱えていらっしゃる方は、一度弁護士にご相談になることをお勧めいたします。（担当弁護士　江幡賢）

掲載日：2024年10月4日