あまりご家族で収支の情報について共有されなかった結果、はっきりとした原因があったわけではありませんが、負債が多額となり、返済が困難となった事案です。

　住宅ローンのあるご自宅を有しており、住宅ローンの支払いの継続と、自宅を残すことを希望していました。

 

　住宅ローンがあり、ローンの返済を希望いる場合には、小規模個人再生を行い、住宅資金特別条項という制度を用いれば、希望をかなえられる可能性があります。

　本件は、まさにこの制度用いるべき典型例でしたので、制度利用を前提に申立の準備を行いました。

　ただ、準備の最初の段階では、ご家族間で収支の情報を共有していないこともあり、不明な支出等があったため、内容等をよく確認をしながら手続を進めました。

 

　一般の事案よりも準備の期間はかかりましたが、結果的には住宅ローンとご自宅はそのままに、その他の債務については大幅に圧縮することができました。

　返済困難なほどの債務がある場合には、まずは破産手続が想定されますが、残したい財産がある場合には、小規模個人再生が選択されることもありますし、住宅ローンの支払いをしつつ、自宅を残すというのは、まさに小規模個人再生が適した事案であるといえます（担当小林）。

掲載日：2024年11月19日