鮮魚店を営む法人および代表者の破産申立てを行った事案
事案の概要
鮮魚店を営む法人および代表者個人からのご依頼です。
営業を継続していたのですが、業績が悪化し、これ以上の営業継続が難しいという段階でご相談に来られました。
弁護士の活動
ご相談内容から、金融機関への返済や仕入れ先への支払い目途や財団の確保等を考えると、早急な弁護士による対応が必要であると判断しました。
まず営業中であることから、財団を最大限確保できるようにするため、債権者や従業員の方には知られないように秘密裡に行動しなければなりません。資料を精査し、売上の入金日や支払い予定等をチェックし、営業最終日を設定しました。
営業最終日には、社長ととも営業店に直接足を運び、従業員の方に解雇を言い渡し、今後の手続き等を弁護士から説明し、混乱を最小限にしました。
また、店舗の明渡しも必要であったことから、大家と協議をし、買取業者に来てもらい査定等を行い、明渡の方法などを取り決めました。
並行して、破産申立てを行う裁判所にも事前連絡を行い、破産管財人候補者に情報共有をしました。
売掛金の回収を行い、破産管財人の報酬等を確保できる目途がたったことから、破産申立てを行いました。
代表者についても、連帯保証債務その他借り入れがあったことから、破産の申立てを行いました。
その後、破産管財人の処理を経て、法人および個人の案件ともに無事破産手続きを終了しました。
担当弁護士の所感
営業中の販売店の申立てであり緊急性が高かったこと、業務内容が多かったこと等から大変な案件でした。
ご相談に来られた社長は、債権者や従業員の皆様には大変申し訳ないという気持ちを持たれており、当初は強いストレスから体調が悪い状態でしたが、破産手続きを経て体調が回復されていました。ほっとした様子であったことから、私共も無事処理することができてよかったと思っています(担当弁護士 五十嵐勇)。
掲載日:2024年10月11日