先日、厚生労働省の調査によれば、新潟県の2020年の自殺者が、2019年から16人増えて424人となったことが報道されました。前年を上回ったのは、2009年以来11年ぶりです。
新潟県内の自殺者は、1998年の857人をピークに減少傾向でしたが、2020年は新型コロナウイルスの感染が広がったことから、県民生活に大きな打撃を与えたことがその要因だと考えられています。
自殺者の内訳は、男性が275人、女性が149人とされており、男性は前年から13人減少していますが、女性が29人増加しています。新型コロナウイルスの流行があり、経済や雇用の問題が女性の間でも深刻化している可能性が指摘されています。
自殺者を年代別に見てみると、男性の自殺者のうち、一番多いのが50代であり、その次に60代、40代の順に多くなっています。他方、女性の自殺者は60歳以上が半数を占めています。
また、全国と比較しても、人口10万人あたりの2019年の新潟県の自殺者は、全国で4番目に多いとされており、新潟県内での自殺者問題は、全国的に見ても深刻な状況だと思われます。
新潟県内の各関係団体は、自殺予防に取り組んでおり、「新潟いのちの電話」という年中無休・24時間受付の無料電話相談が設けられています。
「不安で仕方ない」「生きているのがつらい」「死んだほうがまし」「もう何もできない」「悲しみから立ち直れない」などといった心の悩みをお持ちの方は、相談をご検討ください。
新 潟 025-288-4343
上 越 025-522-4343
長 岡 0258-39-4343
新発田 0254-20-4343
村 上 0254-53-4343
新潟県弁護士会としても、全国の弁護士会同様に、新型コロナウイルス対応に起因する法的な悩み事相談について、電話による法律相談予約を受け付けています(「ひまわりお悩み110番」0570-783―110)。
また、新型コロナウイルスの感染が拡大したことにより、対面での相談に抵抗がある相談者の方のため、昨年、新潟県弁護士会でLINEでの法律相談会を実施したところ、3日間で43件の相談がありました。
2020年の自殺者の年代は、比較的中高年が多かったようですが、最近では、新型コロナウイルスで仕事がうまくいかないなどといった、若い世代での相談も多くなってきている傾向があるとも言われており、若い世代での自殺について、予防対策の必要性が求められています。
一般的に、社会が不景気になると、自殺者が増加すると言われています。社会が不景気になり、経済的に困窮する人が増え、残念ながら自殺という選択肢を選んでしまう人が増える傾向にあるようです。
経済的な困窮に対しては、生活保護などといった様々な社会福祉制度が存在しますし、借金問題については、破産や個人再生といった選択肢もあります。
借金問題や、多重債務などでお悩みの方がいらっしゃれば、一人で悩まず、我々弁護士などに是非ご相談ください。
2021年2月28日作成
出身地 大阪府豊中市
略歴 早稲田大学法学部卒
神奈川大学法科大学院修了
最高裁判所司法研修所修了後,弁護士登録
|