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宿題代行サービスを使う場合の注意点

 宿題代行サービス

たまたまテレビを見ていたら、「宿題代行サービス」というものがあることを知りました。ドリルの回答や読書感想文、自由研究を代行してやってくれるそうです。
なんでこんなサービスがあるのかなと思ったのですが、受験勉強に専念するためだったり、家族で長期間旅行する場合などの需要があるそうです。

このような代行サービスを使うことが教育上どうなのかという議論はおいておくとして、法律的に問題はないのでしょうか。

私文書偽造罪?

作文や自由研究の報告書などを他人が作っているのに、自分が作ったことにして提出するわけですから、「偽造」しているようにも思えます。

しかし、文書偽造罪の「偽造」とは、「権利、義務若しくは事実証明に関する文書」を偽造した場合をいいますので、作文等はこれらに該当はしないと考えられます。例えば、免許証やパスポートの名義を偽って作成した場合が該当するのです。

ただ、注意点としては、試験のために提出する課題等について、他人が全て作成したものを自分の名義として出すことは、私文書偽造になる場合もあり得ます。

判例では、いわゆる「替え玉受験」をした人について、私文書偽造罪の成立を認めた例もあるのです。入試の答案は、その人の学力等を判定するための重量な資料ですから、例えば、大学生や大学院生が論文作成代行を業者に依頼して、そのまま提出するような場合は、替え玉受験に近い状況になるので、犯罪になることも考えられます。

詐欺罪?

作文や自由研究などを「自分がやった」ことにして先生を騙しているとして、詐欺罪が成立しないのかと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、詐欺罪には該当しないと考えれます。

詐欺罪は、相手をだまして、その相手からお金や利益を得ることを言いますので、「宿題やった」を言っても、先生や学校からお金をだまし取るわけではないので、詐欺ではないのです。

ただし、コンテストのように、賞金等がでるものの場合、金品を受け取っているので、詐欺罪になりうるケースもあり得ます。

まとめ

代行業者を使う場合には、どこまでを業者に委ねるのか、どういった種類の依頼をするのか等、よく吟味してからご利用ください。

執筆者情報
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五十嵐 勇  Yu Ikarashi
出身地 新潟県加茂市
略 歴 新潟県立三条高等学校卒
新潟大学法学部卒
九州大学法科大学院修了
最高裁判所司法研修所修了後、弁護士登録
趣 味 サッカー、旅行(特に京都が好きです)
一 言 フットワークの軽さ・迅速な対応を心掛けています。まずはお気軽にお問合せください。
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